この前「カナダ留学することで生じる8つのリスク」という記事を載せたのですが、それに対してある女性からメールをいただきました。
彼女の名前は池田 恵さん(仮名)
現在カナダにお住まいの方です。
簡単に言うと「のび太さんの意見には全く納得できません。」という内容。かなりの長文でメールの文面からは少し怒っている感じがみられました。
これまで数多くの記事を書いてきましたが、池田さんほど“本気の感想”をくれた人はいませんでした。
「参考になりました!」「いい情報だったよー!」といった賛同意見より僕にとって100倍有意義かもしれません。
一個人のブログ記事に対して、真剣に自分の思いをぶつけてくれた池田さんには心から感謝したいです。
「ぜひ私の意見をのび太ブログの視聴者の方に伝えていただけないでしょうか?」と池田さんからは言われました。
そこで今回は彼女のメール文章を一言一句全く変えずにそのままお伝えしたいと思います。
留学に興味ある人にとって、間違いなく有益で興味深いご意見です。ぜひ参考にしてくださいね!
Why does Megumi disagree a lot with Nobita’s opinion???(´∵`)??
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初めまして。
私は現在カナダに住んでいる池田 恵と申します。
先日「カナダ留学することで生じる8つのリスク」という記事を読ませていただきましたが、のび太さんの意見には全く納得できません。
確かに留学にはデメリット・リスクもあるでしょう。ですが、おっしゃっていることはどれも間違っていると思いました。
私は普段あまり人の意見にはあまり干渉しない人間です。ブログなんて人それぞれの意見・考えがあって当然ですから。
でも今回だけはどうしても納得できず、自分の考えをお伝えせずにはいられませんでした。
もちろん、なんの根拠なくのび太さんの意見を否定してるんじゃありません。以下の理由からです。
長文になりますが最後までお読みいただけますと幸いです。
1. 多額の費用がかかる
のび太の主張
- すべての人が奨学金をもらえるとは限らない
- 留学生は地元の人よりも授業料が高くなる
- 多額の費用に見合うだけの価値・特権が得られるとは限らない
お金がかかるのは別に“リスク”って言わないと思います。
日本の大学行くにしても、どっちにしろお金は必要です。
「お金がかかるのがリスク」なんて言ったら服も買えない、外食もできない、旅行もできない。留学に限らず何1つできないじゃないですか?
お金が必要なのはリスクではなく、“当たり前のこと”だと私はブログを読んでいて思いました。
確かにのび太さんの言うように、「多額の費用に見合うだけの価値・特権が得られるとは限らない」というのには賛成です。
成功できるかどうかは完全に本人次第です。
ただ私の場合は金額に見合うだけの価値が十分得られました。
現地の大学で4年間必死に勉強し、翻訳の資格をとって、地元の会社に就職することができました。
日本の学生さんは大学4年間を遊びまくって終わりますが、こちらでは卒業するのがとても難しくて遊んでいる暇なんてありませんでした。
親に多額の費用を負担してもらっていたので「怠けられない!」という意識が常に私にはありましたね。
留学ではお金がとてもかかる分、「お金をムダにしちゃいけない!」という気持ちが強くなり、私のようにモチベーションが高まる人は多いと思いますよ。
日本の大学生だとそんなふうに思ってる人って少ないんじゃないですかね?
2. 帰国後の就職が難しくなる可能性あり
のび太の主張
- 海外の色に染まった人間を嫌う会社もある
- 英語ができるよりも日本の文化・慣習・考えを理解した人間が国内では求められるかも
- 大学生の場合は日本企業への就活が難しくなる
確かに留学した人を嫌う会社も中にはあるかもしれません。
でも逆に、海外に行った人が有利になる会社もあると思います。そっちの方だけ狙えば“難しくなる”なんてこと無くないですか?
個人的には海外に行った人(海外の色に染まった人)を嫌う会社なんて絶対に入りたくありません。「入ってほしい!」って言われたとしても嫌です。
だいたい「海外の色に染まった人を嫌う」ってなんですか、その偏見? 全く意味がわかりません。
帰国後の就職が難しくなるかどうかは、狙う会社の種類によると思います。
事前にどんな会社に入りたいかが決まっていれば、留学によって就活が失敗する可能性は低いのではないでしょうか?
だって、留学が不利になる会社に入りたい人はそもそも留学しませんから。
3. 現地就職が不利になる可能性あり
のび太の主張
- 外国人を雇うのは非常にめんどくさい
- 即戦力、専門スキル、経験は日本にいても手に入る
- 日本で経験・実績を積んだほうが海外就職しやすくなるのでは?
これに関しては特に強く反論したいです。
私はカナダの大学にいったおかげで現地就職できました。
現地の4年制大学を卒業したことで3年間就労ビザがもらえたんです。どこの会社に就労ビザをサポートしてもらうことなく、ワーホリと合わせて4年間もカナダで働くことができました。
永住権を取得するための1つとして、「カナディアンエクスペリエンスクラス(CEC)」というのをご存知ですか?
カナダ国内において専門職種でフルタイム1年間以上雇用されていることなどを条件に申請できるものです。
私はこの方法で永住権を獲得しました。
永住権さえゲットできればビザのことは気にする必要ありません。地元市民と全く同じ条件で働くことができます。
1つの会社でずっと働かなきゃいけない義務はありません。転職が自由にできます。
もしカナダの大学に入っていなければ、私は絶対に現地就職できなかったと思います。
現地の大学に入ったおかげでワーホリと合わせて4年間も働くことができたことで、永住権獲得のチャンスが得られました。
のび太さんが言うように、「外国人がカナダで仕事をゲットするのは厳しい」というのは確かに同意です。
しかし、私のように現地の大学に通うことで現地就職がとても有利になるケースもあるんです。
4. 逆カルチャーショック
のび太の主張
- 帰国後に日本独特の慣習・考えに対して違和感を抱く
- 海外に長く住んでしまうと日本に馴染めなくなるかも
私の場合は全くの逆です。
帰国して日本の良さを実感しました。
日本を出なければ知らなかった数多くの素晴らしさに気づけて本当によかったです。
日本はすごく交通が便利でお店が多いし、雪が全くありません。吉野家の牛丼ってあんなに美味しかったんですね!
確かにカナダの生活にずっと慣れていると、日本の生活に馴染めず違和感があるかもしれません。
でも、どの国にも良いところはたくさんあるし、悪いところもあります。
だからこそ私は、どこに住んでいようと、なるべくその土地の良い面に目を向けてポジティブに生きていきたいです。
5. 現地で孤独を味わう可能性あり
のび太の主張
- 英語がうまくない状態では海外で友達を作るのは難しい
- 日本人ばかりと話せば英語がうまくならない
- 留学中1人も友達がいないのはキツイ
私がカナダの大学に入った当初は、全く友達がいませんでした。日本人はほとんどいないし、英語が全然しゃべれなかったので。
寂しいと感じた時もありました。でも今思うと、孤独に耐えることで1人でもやっていける独立心みたいなものが得られたと思ってます。
日本に住んでいた時は、「困ったときは誰かが助けてくれるだろう」という甘えがありました。
団体行動を大事にする文化ゆえ、日本は他人に頼ってしまいやすい環境だと思います。
カナダでは日本より「個」(individual)を大事にしてる感じがします。みんなグループ行動よりも個人行動を好む傾向があるんです。
そのぶん「自分でなんとかしなきゃ!」という意識をもてますし、私は以前より積極的に動いていけるようになりました。
「現地で孤独を味わう」ことが留学のデメリットだとは全く思いません。むしろメリットです。
私はカナダで1人でもやっていける独立心と積極性を得ることができました。
6. 日本語能力が落ちる可能性あり
のび太の主張
- 母国語でも長年使っていないと感覚は鈍る
- 日本語能力が落ちると日本で就職しずらくなっていまう
私はカナダに9年以上住んでいますが、日本語能力は少しも落ちていません。
全く日本語に触れていなければ落ちるかもしれませんが、適度に使っていれば話せなくなることは絶対にないと思います。
私の職場は全員カナダ人で仕事中の会話はずっと英語です。
でも日英の翻訳したり、YouTubeで日本のテレビ番組をみたり、家族とスカイプで話したりと、毎日必ず日本語に触れているので忘れることはあり得ませんね。
海外に住んでいるからといって、日本人と全く話せなくなるということは今の時代ないです。
スカイプやFacebookで気軽に家族や友達と繋がることができます。
だから海外にいても日本語をたくさん使いますし、日本語を忘れることはありません。
7. 食生活の乱れによりデブになる
のび太の主張
- カナダの食事は太りやすい
- 海外では日本よりも健康を保つのは難しい
一部同意します。
太っている人は確かに日本より多く見かける気がします。
しかし、こちらでは健康志向の人もかなり多いです。地域によってはかなり健康的な暮らしを送れますよ。
私の知り合いにはベジタリアンの人が結構いますし、日本では手に入らない様々なオーガニック食品がスーパーで売られています。
個人的な印象ですが、カナダ人は健康に気を遣っている人と、全く気にしない人の差がかなり激しいです。
健康を気にする人は食生活・運動・ライフスタイルすべてをものすごく気にしてますね。
私はカナダに来て、オーガニック食品やヨガによって日本にいた時より健康的な体になったと感じています。
カナダの健康志向の強い人たちの影響を大いに受けたからこそです。もし日本にいたら健康になれなかったかもしれません。
8. 住居トラブルによるストレス
のび太の主張
- 留学生はホームステイ・シェアハウス・寮など、誰かと一緒に暮らすことになる
- 誰かと一緒に住んでいれば1人暮らしよりもトラブルは多くなってしまう
これに関してもデメリットではなく、メリットだと個人的には思いました。
私はカナダに来てから8回も引っ越しがあって、様々な人たちとシェアハウスしてきましたが、どれも素晴らしい思い出です。
もちろん嫌に感じることもありましたが、ルームメイトには生活面・仕事面で大いに助けられましたし、おかげで寂しい思いをせずに済みました。
一生続くベストフレンドを2人も作ることができて、本当によかったです。
誰かと住んでいるとトラブルもありますが、楽しいこと・良いことも増えると感じています。
たまにパーティーをやったり、困ったときに助けてもらったり、食事をシェアできたりetc。
確かに「他人と一緒に住むのは耐えられない!」という人にとっては耐えられないかもしれません。
ですが逆に、「1人での生活には耐えられない!」という人も中にはいるんじゃないでしょうか?
そんなタイプの人にとっては、留学が最高の機会になりますよね。
以上がのび太さんの意見に対して納得できなかった理由になります。
大変長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
のび太さんのブログは私の友達でも知っている人がいました。
Google検索でも上位に出てきているようですし、あなたがブログに書いた意見の影響力は大きいと思います。
のび太さんは以下の記事で、「留学はマイナスになる」という印象を多くの人に与えてしまったかもしれませんよ。
※留学の“悪い面”をお伝えします!高校生・大学生がカナダ留学することで生じる8つのリスクとは?
のび太さんにはそんなつもりはなくても、人によっては「留学はマイナス」と捉えるかもしれないと思います。
私としては「留学して本当に良かった!」と思っているので、それがあまり良く思いません。少し不愉快でした。
だからこそ今回だけは反論せずにいられませんでした。
最後に、
もし私の意見が少しでも有益だと感じてくれたら、のび太ブログでこのメールの内容を伝えていただけますでしょうか?
「実は先日、こんな意見をもらいました」的な感じで記事にしていただければありがたいです。
のび太さんのブログには海外に興味をもつ人がたくさん集まると思います。私の声をより多くの人に届けられるでしょう。
ぜひよろしくお願いします。
P.S.
なんかイチャモンつけたみたいになって申し訳ありませんでした。
ただ、私はのび太ブログが好きだし、のび太さんが一生懸命がんばって役立つ情報を発信しようとしていることは十分伝わってます。
私に限らず色々な人から非難を受けるかもしれませんが、めげずに頑張って欲しいと思ってます。
これからも陰ながら応援しています。
さいごに:留学のデメリットはメリットになる!
池田さんの意見はどれも「なるほどなぁ」と思うものばかりでした。“リスク”と決めつけてしまった自分の知識・視野の狭さに恥ずかしくなりました。
たしかに考えようによってはメリットと捉えることもできますわよね。
池田さん、
「留学がマイナスになる」という印象を与えてしまったのなら、大変申し訳ありませんでした!
僕としては「留学には良いことばかりじゃない。甘い気持ちで留学するな!リスクも理解した上で留学しよう!」ということを主張したかった記事なのですが、伝え方が悪かったかもしれません。
※留学の“悪い面”をお伝えします!高校生・大学生がカナダ留学することで生じる8つのリスクとは?
池田さん、貴重なご意見ありがとうございました!
いや〜それにしても「留学して本当に良かった!」と思っている方から貴重なご意見をいただき、シェアさせてもらって、かなりありがたかったです。
成功者の声は、「留学しようかなぁ〜?」と迷っている人の励み・良い判断材料になりますわよね。
留学の“デメリット”だと言われていることは、池田さんのような考え・行動によってメリットに変わるんですねー!!