「あなたが海外で働きたい理由はなんですか?」
海外で働いてみたい人は多いですが、“明確な理由”を持っている方は意外と少ないのではないでしょうか?
- 日本にウンザリしたから
- 「海外で働く」ってなんとなくカッコイイからetc
上記のような理由だけで海外に行くのは危険だと個人的には思います。
- 「実際に行ってみたら、全く自分と合わなかった..」
- 「日本の方が断然自分には良かった」etc
ということになるかもしれません。
まずは行く理由を明確にして、目的意識をもって行動することが大事だと経験から感じます。
理由を明確にするためにも、海外で働くことのメリットとデメリットをしっかりと理解しておくべきです。
2つを知ったうえで、もしも自分は日本の方が合っていると思ったならば、わざわざ行く理由はないでしょう。
今回は、僕自身のカナダで働いていた時の経験&周りの人たちから聞いた意見などから、海外で働くメリット・デメリットを3つずつご紹介します。
What are the advantages and disadvantages of working abroad??(´∵`)??
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海外で働くメリット3つ
実力主義
海外ではどこの企業でも、年齢や性別、国籍などによって待遇があらかじめ決まっているということはありません。
「女性だから昇進できない」「若いから給料が上がらない」ということはありません。
実力次第で昇進・給料は決まってきます。年齢・性別は関係なく、どれだけ会社の売上に貢献できるかがすべて。
営業であれば成約率に比例して給料は伸びていくでしょうし、Webデザイナーであれば優れた作品を作れば作るほど評価は高まっていくでしょう。
「終身雇用&年功序列」であり、長く働いていれば自然と給料が上がっていく日本とは明らかに違います。
実力主義をメリットと見るか、デメリットと見るかは人それぞれだと思います。ですが個人的には、これは大きなメリットだと感じます。
人がより成長するためには、厳しい環境が不可欠です。年功序列で安心の『ぬるま湯』では、なかなか上を目指そうとなりません。
実力主義は一見すると、「キツそう。。」と思われがちです。
しかし自分自身を成長させるという意味では、あえて厳しい環境に身を置く必要があるのではないでしょうか?
組織より個人を重視
日本の会社では何よりも『組織』の意向が重要視されます。
そのため実際会社に入ってみたら、やりたくない仕事をすることになるというケースは多いです。
僕の大学の同期からは、「希望とは全く違う部署に配属されてしまった..」という話しをよく聞きます。
一方で海外の企業では、組織の考えよりも個人の意志やスキルアップを重視する傾向があります。
能力があればやりたい仕事はいくらでもやらせてもらえるし、やりたくない仕事はやらなくて済むことが多いようです。
また、海外の企業では、何でもできるマルチプレーヤーよりも、1つの領域に特化した専門プレーヤーが重宝されます。
1つの分野を突き詰めてスキルアップしていきたい人には向いてるといえるでしょう。
アフター5
他の国はわかりませんが、カナダの会社は残業がほとんどありません。定時で帰れることがほとんどです。
ゆえに、仕事後は自分の趣味や家族との時間に多く費やすことができます。
カナダでは「残業した人はえらい」と思われることはありません。むしろ「残業ばかりしている奴はダメだ」と思われます。
だからこそ誰にも引け目を感じることなく、定時キッチリに帰宅することができるのです。
早く家に帰れた分、資格試験の勉強や新たな技術習得に費やしていた人が、周りでたくさんいらっしゃいました。
アフター5をキャリアアップのための時間とすることで、ビジネスパーソンとしてどんどんステップアップしていけるかもしれませんね!
海外で働くデメリット3つ
雇用が不安定
海外で働く場合、『ビザの問題』は避けられません。
永住権をとっている場合は別ですが、基本的に外国人はビザに縛られながら生きていくことになります。
「働きたかったけど、ビザの延長許可がまだ下りていないから働けなくなった..」という人がカナダでは多くいました。
また、海外では「レイオフ(layoff)」がよく起こります。実際、僕の知り合いの日本人でも1人いらっしゃいました。
レイオフ(layoff)とは、企業の業績悪化などを理由とする一時的な解雇のこと。 主に製造業において、製品の需要が振るわないことなどの理由から、作業員に一時的に辞めてもらい、需要が復活したらまた再雇用します。レイオフは企業の業績悪化時に一時的な人員削減を行い、人件費を抑える為の手段の1つです。
自分の仕事の成果で解雇されるならまだ納得できますが、突然のレイオフによって居場所を失ってしまうというのは、かなり歯がゆいですよね (p_q、)。。
「仕事の安定性」を何よりも重視したいと考えている方には、海外で働くことは向いてないかもしれません。
ドライな職場
集団意識、組織感を大事にする日本企業では、飲み会や社員旅行などがあり、プライベートと仕事のつながりは自然と強くなる傾向があります。
一方海外では、職場とプライベートをキッチリわける会社が多いようです。仕事の付き合いとプライベートの付き合いは、全くの別物という考え。
「個人主義」を大事にする北米文化と、「団体主義」を重視する日本文化の違いから生まれる傾向でしょうね。
会社以外で付き合っている仲間が多いぶんには気になりません。「オフィス以外での付き合いをしなくても済むから良い」という見方もあるでしょう。
しかし、プライベートの時間も会社の仲間たちと関わることが普通の日本人にとっては戸惑うかもしれません。
日本人は「飲みニケーション」という言葉があるぐらい、仕事以外の時間も仲間と共有することで、親睦を深めようとする傾向があります。
仕事とプライベートをキッチリわける海外企業が合わない人も中にはいるかもしれませんね。
家族の問題
海外で働いている人のなかには、自分だけで(= 家族を日本に置いて)来たという人も多いです。独身の方なら大多数がそうです。
ゆえに、家族の身に何かあったときはかなり困ります。
(例)
- 親が急に倒れた
- 看病・介護が必要になったetc
スカイプや国際電話があるとはいえ、別の国にいることで、「すぐに家族を助けられる」ということは難しくなるでしょう。
「家族はいつも元気マンマンで、自分が海外に行っても全然安心です。」「他の兄弟がいるから大丈夫」という人ならば、もちろんなんら問題にはなりません。
しかし海外に行きたい人の中には、「自分が家族を介護しなければならない」というケースもあります。
(※実は先日、そういうケースの方からご相談を受けました。)
このような場合、非常に難しい選択をしなければなりません。
自分のキャリアを優先したいところです。しかし、海外に行っても家族のことが気になってしまい、仕事どころじゃなくなるでしょう。
「大切な人にすぐには会えなくなる」というのも、海外で働くことのデメリットの1つです。
今回挙げたメリット・デメリットは僕が個人的に思う意見です。人によっては「これはメリットじゃない」「これは私にとってはデメリットにならない」という方もいるでしょう。
いずれにせよ、国が違えば働く環境・状況は全く違ってくるということだけは理解していただきたいです。
日本の会社と同じ感覚で働いていては、戸惑うことが多くなるでしょう。
今回ご紹介したことを、自分自身の性格、状況に照らしあわせて見てください。その上で「海外で働く」という決断をしていただきたいと思っています!