このブログではこれまで「留学の素晴らしさ・メリット」を主に伝えてきました。
実際に留学して海外で働いていた人間としていま感じるのは、「海外に出ることはとても有意義」だということです。
得られることがたくさんありました。
「行って良かった!」という気持ちは今でも変わっていません。
※留学で“得られること”ってなんですか?日本で何もなかったメガネ男がカナダ留学で得たこと7つ
ただ、留学にはデメリットも数多くあります。
僕はあなたに「留学すれば人生が変わる!良くなる!」と安易に考えてほしくありません。
プラスになるどころか、人生を最悪にする“リスク”もあります。
高校生・大学生の人が、留学することによって生じるリスク・デメリットとは一体なんなのでしょうか?
ぜひ知っておきましょう!
What could be the 8 disadvantages of studying abroad??(´∵`)??
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1. 多額の費用がかかる
以前「お金がなくても留学できる!」という記事を書きましたが、これを読んだ人は「じゃあ留学費用は全く心配する必要がないんだね!\(^o^)/ヤッター」と思ったかもしれません。
誤解しないでください。
奨学金を利用して留学することは可能でも、もちろん全ての人が受け取れるものではありません。
奨学金をもらうには審査に通らなければなりません。最終的には全額用意さざる得ない可能性も十分あります。
また、カナダの学校では、留学生の方が地元の人より学費が高くなるケースがほとんどです。
カナダの高校は教育費が無料として有名ですが、残念ながらその恩恵を受け取れるのは現地人のみです。
そして、カナダでの怪我・病気は日本よりも厄介です。保険に入っていたとしても、日本ほど充実した医療は期待できません。「長く待たされる」「医者の質が低い」などとよく言われています。
それと、歯の治療には日本のように保険がかからないので、現地で歯医者に行くとかなりの大金を請求されます。
学費・生活費・医療費などすべてを総合的に考えると、やはり留学にはお金がかかるものと考えていたほうがよいでしょう。
しかしながら、多額の費用に見合うだけの“価値”や”特権”を帰国後に得られる保証はどこにもありません。
2. 帰国後の就職が難しくなる可能性あり
「えっ!?有利になるんじゃないの?」と思っている人は多いでしょう。
残念ながら有利になるどころか、難しくなってしまう可能性も十分あります。
海外の色に染まった人間を嫌う会社も日本にはあるんです。
英語ができる人より、日本独自の慣習・文化・考え方をもった人材が欲しい会社は多いと思います。
大学生の場合は在学中に留学すると就活が困難になります。
日本の大学で4年間過ごす場合、ある時期になると自然と就活の情報が耳に入りやすくなります。
学校側が適切なタイミングで説明会・講習会を開いたり、同期のみんなが一斉に就活を始めます。自然と就活への意識が高まります
一方、海外の大学にいる場合、日本の会社への就活は難しいです。まず地理的に説明会や面接に行きにくくなるのは言うまでもありません。
情報量が圧倒的に少なくなるし、大学側は就活を考慮してスケジュール・授業を組んでくれません。
日本の企業に入りたい大学生にとって海外の大学にいることは、不利になってしまう可能性が高いんです。
※留学経験者は不利?日本企業への就職状況 NYタイムズ紙より
3. 現地就職が不利になる可能性あり
「その代わり『現地就職』は有利になる!」と言いたいところですが、そうとも言えません。。
雇用主にとって、外国人を雇うのは非常にめんどくさいです。
「膨大な手続き書類・証明書」「長期間に及ぶプロセス」etc
面倒くさい事が多すぎます。「できるかぎりは避けたい!」とカナダにいる全ての雇用主は思っているでしょうね。
- A. 外国人
- B. 地元市民
もし同じ能力・同じ技術なら、雇用主は絶対にBを選びます。
“わざわざ”面倒な手続きをしてまで外国人を雇う理由はどこにもありません。
カナダ・アメリカの会社が特に重視するのは以下の3つだと言われています。
- 即戦力になるか?
- 専門スキルがあるか?
- 十分な経験・実績があるか?
上記3つは日本にいても手に入れることができます。
たとえ今まで一度も海外に住んだことがなくても、日本で豊富な経験を積み、高い専門技術をもつ人の方が雇われる可能性は高いということです。
ゆえに高校・大学時代を海外で過ごしたからといって、現地就職が有利になるとは言えないという結論に至ります。
むしろ日本で社会経験を積めないため、不利になってしまう可能性もあります。
海外就職という観点からすると、「留学した経験」「英語が話せる」は決して大きなメリットになりません。
4. 逆カルチャーショック
僕がカナダから2年ぶりに帰国した後2〜3週間は、以下のような違和感・ストレスを感じました。
日本人は神経質すぎる!
約束の時間、電車の時間などで、1分でも遅れることは許されない雰囲気が日本にはあります。
また、同じマックでも、店員さんの対応が全然違うと思いました。
カナダでは尊敬語・謙譲語がない言語習慣、フレンドリーで雑な対応に慣れていた分、丁寧すぎる日本の店員さんに対して違和感・不自然さを感じました。
圧迫感
帰国直後に味わった満員電車にはかなりのストレスを感じました。日本は面積が小さい分、建物・ビル・道路などで常に圧迫感を感じました。
カナダでランニングしていた時には、広々とした開放感がありましたが、東京では感じることができません。
非フレンドリー
日本人は決して本音を言いません。それに表情が少ないので何を考えているのかよくわかりません。
見知らぬ人へは声をかけづらい国です。
一方カナダでは、多くの人が感じたことを口に出し、表情が豊か。知らない人でも気軽に話しかけられる雰囲気がありました。
上記はあくまで一例に過ぎません。他にも僕が帰国後に感じた違和感・ストレス(=逆カルチャーショック)は多々ありました。
日本のほうが良いと感じたこともありますが、海外に長く住んでいると、日本独自の慣習・考え・人々に対してストレスを感じることも色々でてきます。
海外に長く住んだせいで、日本に馴染めなくなってしまう可能性も十分あるんですよ。
5. 現地で孤独を味わう可能性あり
留学中は、現地で仲良くできる人が限定されてしまいます。
英語がうまく話せないと、現地の人とより深く知り合うことはやはり難しいです。日本よりも友達を作りづらい状況です。
自分から積極的に話しかけられない人ならなおさらです。
かといって日本人ばかりと一緒に居ると、日本語ばかり使ってしまい、英語はなかなか上達しません。
カナダの大学は日本よりも卒業するのが難しいと言われています。
英語に慣れてないうえに、大学のレポート・宿題もこなさなければなりません。毎日勉強漬けで友達を作る暇はないかもしれません。
つまり、「留学中1人も友達がいない」という状況になる可能性は十分ありえます。
「別に私は1人でも全然平気だよー。」という人なら大丈夫かもしれません。
ただ、子供の頃からグループで行動することが当たり前の日本人の中で、そういうタイプの人は比較的少ないと思います。
(※「日本人はトイレも誰かと一緒に行こうとする人種」というのは世界でも有名な話。)
気軽に話せる友達が1人もいないというのは、「グループ行動当たり前」文化の日本人僕らにはかなりキツイです。
6. 日本語能力が落ちる可能性あり
「はぁ?そんなことあるわけ無いだろ!」って思うかもしれませんが、母国語でも長年使っていないと言語感覚は確実に鈍ります。
僕の知り合いで、カナダの首都オタワに10年以上住んでいる日本人女性がいます。
彼女は驚くほど完璧ペラペラな英語を話しますが、驚くことにまともな日本語を話すことができません。
「敬語が全く使えない」と言っていました。
彼女の周りは全員カナダ人で、日本語は10年間ほとんど使っていません。
「年上に対して言葉遣いをほとんど変えない」言語・文化に10年以上も浸っていれば、「敬語が全く使えなくなった」となっても不思議ではありませんよね。
「日本語ができなくなっても、そのぶん英語ができるようになるなら最高じゃん!」と思う人もいるでしょう。
はたして本当にそうでしょうか?
- A. 英語はペラペラだけど、適切な日本語(敬語・謙譲語)が全く話せない・漢字が書けない人
- B. 英語は日常会話程度なら話すことができて、完璧な日本語が話せる・漢字が書ける人
AとB、日本ではどちらのほうが雇われる可能性が高いでしょうか?
職種によって変わりますが、ほとんどの会社ではBの方が有利になること間違いありません。
日本にある会社(ex. サイゼリヤ、マック、楽天etc)では、日本人を相手(お客さん、同僚、上司etc)にする会社が90%以上です。
ゆえに、英語よりも適切な日本語(母国語)を話せる人材が日本ではより求められます。
日本語能力が落ちるということは、「日本で働ける可能性が小さくなる」ということを意味しています。
7. 食生活の乱れでデブになる
カナダと日本では食文化は大きく異なります。
カナダに行ったばかりの頃、ジャンクフードを食べる人の多さに僕は驚きました。
レストランでは「美味しさ」だけを追求した砂糖・塩分たっぷりの料理、ホームステイ先ではキャンディ・チョコレートなどのお菓子が山盛りありました。
カナダ・アメリカの食事には健康への配慮が少ないです。「うまければ良い」という考えが主流です。
海外で健康的な食生活を維持するのは日本にいるよりも難しいと思います。
例えばホームステイ先で出された料理は断りづらいし、値段の高い野菜を買って料理するより、安くて簡単なジャンクフードに誰だって手を出したくなるでしょう。
※なんで留学すると太っちゃうの?カナダ・アメリカに行く留学生が太ってしまう5つの理由
8. 住居トラブルの可能性あり
ホームステイ先、シェアハウスでのトラブルは多いです。
見知らぬ他人と良好な人間関係を築くのは簡単ではありません。
カナダでは、騒音・盗難・家具の損傷などのトラブルで困っている人が周りで結構多かったです。
シャワーしかないところに住んでいたので、個人的には日本みたいにゆっくりお風呂に浸かれなかったのがめっちゃ痛かったですね。以下の様なお風呂に憧れてたのになぁ〜 (-ω-; ムム…)
(※最近のお風呂)
海外で1人暮らしできる資金的余裕のある留学生は少ないでしょう。一般的にはみんな寮やシェアハウスに住んだり、ホームステイをします。
誰かと一緒に住んでいれば、トラブルが起きる可能性は1人暮らしより高くなると思います。
「他人と一緒に住むのは耐えられない!」「住むところは1人じゃないと嫌だ!」という人にとって、留学はかなりキツイ拷問です。(っていうかやめたほうがいいです。)
さいごに:留学は大きなリスクを背負う
今回あえて「留学の悪い面」をお伝えしたのは、あなたに甘い気持ちで留学してほしくないからです。
「留学すれば状況が良くなるはず!」「留学が私を変えてくれるはず!」などの幻想を抱くのはやめてください。
留学しても天国が待っているわけじゃありません。
この記事で一番伝えたいことは、
「留学 = 人生が良くなる」という保証ない!ということ。
それどころか、留学は大きなリスクが伴います。
リスクをよく知った上で「本当に自分は留学すべきなのか?」を判断してくださいね!
※留学のデメリットはメリットに変わる!カナダ在住の女性からもらった反論メール